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シカゴGSBでのMBAについて、徒然なるままに書いてみようと思います


by ikuramba
タイトルは私のプライベートとは関係ありません。レックス・ホールディングスのMBOについての、私の第一印象を一言で表したものです。再生案件の減少を補うような形で、最近公開企業の非公開会社化が増えてます。先日発表されたレックス・ホールディングスのMBOもその一つです。

MBOの目的はいろいろあると思いますが、ここでは既存株主にとっての本ディールの意義をちょっと考えてみたいと思います。もう少し具体的に言うと、今回予定されている”過去1カ月終値平均値20万2000円に13.9%”のプレミアムが、株主を報いるに値するものなのか、という点なのですが、数字はとりあえず無視します。

数字を全く抜きにすると、糟糠の妻(古い)を捨ててかなり若い嫁さんをもらうようなものでしょう(社長の私生活は知りませんが)。
・おまえのお陰で、二人でやってきた焼肉屋もここまで大きくなった
・ここは一つ、いろいろやってみたいので、しばらくガマンしてくれ。コンビニやスーパーが軌道に乗れば、今まで以上にいい思いをさせてやれるぞ。
・ほら、こんなにうまくいっただろ。株価も上場後5倍まで上昇したし。これからもガンガン行くぜー。
・あら、何だか本業がガタガタしてきたなぁ。おい、おまえまで色々文句を言うのか。
・なんだかおまえの相手をするのも面倒くさいので、聞き分けの良さそうな新しい恋人を見つけてきたよ。なので、とりあえずここは13.9%のプレミアムを払うので、田舎に帰ってくれ。
ってな感じです。オンワードの時もそうでしたが、私がこの糟糠の妻であれば、「この大風呂敷の大ウソツキ!慰謝料たっぷり払ってもらうわよ」と言いたいところです。まあ、オンワードはディスクロージャーについてはかなりちゃんとやっているほうでしたが。

気になるのが、社長個人(=筆頭株主)名義のプレゼンを公開しているところ。一株主として何かを言うのであれば、会社のHPを通じての意見表明はいかがなモノなのでしょうか?何より、「短期的に株主に報いることが出来ないので、中長期的に”理解”してくれる少数の株主とともに改革に集中したい」とおっしゃっておりますが、この会社に投資している株主の多くは機関投資家であり、”きちんとした”説明をこれまでもandこれからも行っているのであれば、彼の心配は杞憂に過ぎません。むしろそれで中長期的に株価が上昇することをきちんと伝えられるのであれば、13.9%(しかも直近一ヶ月の平均に)くらいをもらって出ていく株主はいないでしょう。

数年後、目論見通り改革がうまくいって、財務状態も良くなり再上場するのかもしれませんが、少なくとも私はこの会社の株主にはなりたいとは思いません(また捨てられるかもしれないので)。JASDAQも公開基準(特にガバナンス)については、もっと厳しくすべきでしょう。再々MBOとかやっちゃうかもしれませんよ。

今日の授業: 35200 (無念・・・)
# by ikuramba | 2006-11-12 11:53 | Others

駆け足ニューヨーク

半年ぶりにニューヨークにやって参りました。

10:30amにはフリーになったので、4:30pmのフライトまでしばらく時間があります。まずは、ZABAR’Sへ買い物へ行きました。ZABAR’Sは高級スーパーとして有名らしいのですが、高級さという観点からは、シカゴにあるFox & Obelの方がむしろ高級かもしれません。この店は、むしろ雑然としているなかに面白いモノがあるところに、この店ならではのおもしろさがあるのでしょう。入り口付近のチーズ売り場が猛烈なニオイを発しているのが、私にはちょっと辛いところですが。

といっても、貧乏学生のみでもあるので、慎ましい買い物のみで今日はガマンします。チョコレート・コーティングがされたプレッツエルと、トルコ産のドライフィグを妻のお土産に買い込み、自分のために更にプレッツエルを買いました。棚にあったチョコレート・プレッツエルは全て買い占めてしまいました。明らかに買いすぎ。

思った以上に長々と過ごしてしまったので、急いでソーホーへ。地下鉄で南に下り、目的地はすぐそこか?と思いきや、10ブロック以上も先でした。いつも通り大荷物で移動している私は、手にマメができてしまいました。途中で、ものすごく可愛い子供服を売っているお店があったので、思わず入って見てみたのですが、本当に可愛いものばかり。手編みの帽子・マフラー・手袋3点セットがあったのですが、高い!!!私の洋服がいくつも買えます。

空腹と重い荷物でヘロヘロになりながらやってきたのが、ピザ屋のLombardi’s。NY育ちの友人に教えてもらってきたのですが、アメリカにきて以来bestピザです。ナポリピザとローマピザの中間くらいですが、粉の味がしっかりとしているのと同時に、チーズとトマトソースがとてもおいしいかったです。唯一の失敗は、ペパロニのトッピングをのせてしまったところ。粉・チーズ・トマトソースがおいしいので、何ものせないベーシックなピザにすべきでした。それを差し引いても、本当においしいピザでした。

その後ソーホーをちょっとぷらっとして空港へ。短い滞在でしたが、たまに来ると面白い。騒々しくあまり綺麗ではない街ですが、食べ物はおいしいし、みんなおしゃれで、東京やシカゴよりも元気な印象を持ちました。願わくは、引退後は1年の1/3くらいをNYで過ごし(春~夏)、1/3をイタリアあたりで暮らし(夏~秋)、1/3をどこかのビーチでのんびりとする(冬)、そんな生活を送りたいものです。アメリカで宝くじでも当てない限り無理ですが。
# by ikuramba | 2006-11-04 11:34 | Life
ウエハーは(も?)全くの門外漢ですが、さきほど日経ネットで東芝セラミックMBOについての記事を見つけましたので、以下備忘録的に雑感を。

Size:
すかいらーくに続いて、今年2番目の規模(約1,000億)とのこと。別の記事によれば、買収金額(debt + equity) + new loanで1,400億との情報もあり。ざっくりequity portionで300-500億くらいだとすると、やはり複数ファンド(今回はユニゾン&カーライル)による共同投資になるのでしょう。アメリカみたいに、“談合だ!”とか言われることはまだないでしょうね・・・

Core business:
今回のMBO対象となったウエハーは、コア中のコアではないけれども、比較的コア事業に近い部分です。その部分でも、中長期的にin-houseでやる必要がない、という判断から売却に踏み切ったという点については、個人的には結構興味があります。

Up-trend:
しかも、ウエハーはダウンサイクルではなく、むしろサイクル的にはup-trendにあるはず。これまで多かったturn around型からgrowth型への移行、と見て良いのでしょうか。New loanもどうやら新規投資にむけられるらしいです。

Exit:
とはいえ、個人的にはかなり短期の投資になるのでは?と思っております。というのも、
- 上昇サイクルで買って、そのトレンドに乗っかったまま売ったほうが値段が高くなる(わざわざ
次のダウンサイクルと、その次の上昇サイクルを待つ人はいないでしょう)
- 同業他社もほしいはず(信越&SUMCO)。もしかしたら、pre-arrangeかも?ってそれはないか。

で、結論としては、
-東芝の判断は、個人的には面白いと思う
- でも、信越 or SUMCOが買った場合、逆にウエハーの値段が上がって、東芝は困ったりして。その辺の供給確保は大丈夫なのでしょうか?

読み返してみたら、バリュエーションも何も含んでいない、本当にただの雑感ですね。
# by ikuramba | 2006-11-01 15:03 | Others

XX職人

最近我が家では、”いよっ、XX職人”とおだてて人を働かすことがはやっております。この週末に、私がなった職人は、
- お茶職人: お茶をわかす係
- 床職人: 床掃除をする係
- 朝ご飯職人: 朝ご飯を作る係
- ドリア職人: 夕飯にドリアを作る係
- カレー職人: 夕飯にカレー作る係
- フルーツ職人: フルーツを切る係
と、平日家庭人として機能していない分、必死に償いをしているかのようです。

そのうち、”いよっ、主夫職人!”とか言われそうですが。でも、洗濯物をたたむのとトイレ掃除はできないのです・・・
# by ikuramba | 2006-10-30 12:15 | Life
何だか最近ニュースについての雑感ばかりですが、今日も日本のプチネタについての感想を。三井物産が長谷工の優先株を取得するようです。

確か2000年くらいから、ゼネコン各社がDebt Equity Swap (DES)を行い、メインバンクが結構な量の優先株を抱えることになりました。銀行にしてみれば優先株なんてポンカスみたいなもんなので、優先株の処分もそんなに急がないのかなぁと思っておりましたが、2年くらい前にあるバンカーの人と話をしたところ、ヘッジファンドがゴソっと買っているとの話を聞きました。銀行としてはこれでようやくオフバラが完了するし、バイヤーからしてみれば、普通株への転換価格を考えると相当なdeep discountで買えるので、流動性を考慮してもGOということになったのでしょう。加えて、ヘッジファンド以外のプレーヤーが、まだそれほどアグレッシブに投資に乗り出していない時期でもあったので、皆さんhappyな状況だったわけです。

ところが、景気も上向いてきたことにくわえて、相当な金余り。PE・ヘッジファンド・商社等々、何とか投資先を見つけようといろんなところでバッティングしている模様。また、発行体サイドとしても、さっと売り抜けてしまうような輩には株主になってほしくないし、しかも発行体そのものの体力も回復してきている。

となると、発行体にとってbetterなのは、
- 長期的に持ってくれる株主を捜す
- 資金的に余力があれば、買入償却をしてしまう
ということになります。今回の三井物産による長谷工の優先株取得も、まさにこういった文脈で行われたのでしょう。銀行としても、発行体から“ヘッジファンドに売りやがって”みたいに言われるよりも、“事業シナジーがあるバイヤーに売ってくれてありがとう”と言われる方が、今後の関係を鑑みても良いのでしょう。

数年前はそれほどhotではなかった優先株が、今は複数から求愛されている状況になっているように見えます。そういえば、高校生の時に、一見じみーな女の子がいたのですが、私は“必ずめちゃくちゃ綺麗になるはず”と予言していたのですが、予言通り大学で開花したようです。だから何だ?っていわれると困りますが。
# by ikuramba | 2006-10-29 07:59 | Others