無事
TOB成立のようです。
経営陣(というか社長)とファンドとの間の、良い意味での緊張関係を望みます。
▲ by ikuramba | 2006-12-13 14:53 | Others
タイトルは私のプライベートとは関係ありません。レックス・ホールディングスのMBOについての、私の第一印象を一言で表したものです。再生案件の減少を補うような形で、最近公開企業の非公開会社化が増えてます。先日発表されたレックス・ホールディングスのMBOもその一つです。
MBOの目的はいろいろあると思いますが、ここでは既存株主にとっての本ディールの意義をちょっと考えてみたいと思います。もう少し具体的に言うと、今回予定されている”過去1カ月終値平均値20万2000円に13.9%”のプレミアムが、株主を報いるに値するものなのか、という点なのですが、数字はとりあえず無視します。
数字を全く抜きにすると、糟糠の妻(古い)を捨ててかなり若い嫁さんをもらうようなものでしょう(社長の私生活は知りませんが)。
・おまえのお陰で、二人でやってきた焼肉屋もここまで大きくなった
・ここは一つ、いろいろやってみたいので、しばらくガマンしてくれ。コンビニやスーパーが軌道に乗れば、今まで以上にいい思いをさせてやれるぞ。
・ほら、こんなにうまくいっただろ。株価も上場後5倍まで上昇したし。これからもガンガン行くぜー。
・あら、何だか本業がガタガタしてきたなぁ。おい、おまえまで色々文句を言うのか。
・なんだかおまえの相手をするのも面倒くさいので、聞き分けの良さそうな新しい恋人を見つけてきたよ。なので、とりあえずここは13.9%のプレミアムを払うので、田舎に帰ってくれ。
ってな感じです。オンワードの時もそうでしたが、私がこの糟糠の妻であれば、「この大風呂敷の大ウソツキ!慰謝料たっぷり払ってもらうわよ」と言いたいところです。まあ、オンワードはディスクロージャーについてはかなりちゃんとやっているほうでしたが。
気になるのが、社長個人(=筆頭株主)名義のプレゼンを公開しているところ。一株主として何かを言うのであれば、会社のHPを通じての意見表明はいかがなモノなのでしょうか?何より、「短期的に株主に報いることが出来ないので、中長期的に”理解”してくれる少数の株主とともに改革に集中したい」とおっしゃっておりますが、この会社に投資している株主の多くは機関投資家であり、”きちんとした”説明をこれまでもandこれからも行っているのであれば、彼の心配は杞憂に過ぎません。むしろそれで中長期的に株価が上昇することをきちんと伝えられるのであれば、13.9%(しかも直近一ヶ月の平均に)くらいをもらって出ていく株主はいないでしょう。
数年後、目論見通り改革がうまくいって、財務状態も良くなり再上場するのかもしれませんが、少なくとも私はこの会社の株主にはなりたいとは思いません(また捨てられるかもしれないので)。JASDAQも公開基準(特にガバナンス)については、もっと厳しくすべきでしょう。再々MBOとかやっちゃうかもしれませんよ。
今日の授業: 35200 (無念・・・)
▲ by ikuramba | 2006-11-12 11:53 | Others
ウエハーは(も?)全くの門外漢ですが、さきほど日経ネットで東芝セラミックMBOについての記事を見つけましたので、以下備忘録的に雑感を。
Size:
すかいらーくに続いて、今年2番目の規模(約1,000億)とのこと。別の記事によれば、買収金額(debt + equity) + new loanで1,400億との情報もあり。ざっくりequity portionで300-500億くらいだとすると、やはり複数ファンド(今回はユニゾン&カーライル)による共同投資になるのでしょう。アメリカみたいに、“談合だ!”とか言われることはまだないでしょうね・・・
Core business:
今回のMBO対象となったウエハーは、コア中のコアではないけれども、比較的コア事業に近い部分です。その部分でも、中長期的にin-houseでやる必要がない、という判断から売却に踏み切ったという点については、個人的には結構興味があります。
Up-trend:
しかも、ウエハーはダウンサイクルではなく、むしろサイクル的にはup-trendにあるはず。これまで多かったturn around型からgrowth型への移行、と見て良いのでしょうか。New loanもどうやら新規投資にむけられるらしいです。
Exit:
とはいえ、個人的にはかなり短期の投資になるのでは?と思っております。というのも、
- 上昇サイクルで買って、そのトレンドに乗っかったまま売ったほうが値段が高くなる(わざわざ
次のダウンサイクルと、その次の上昇サイクルを待つ人はいないでしょう)
- 同業他社もほしいはず(信越&SUMCO)。もしかしたら、pre-arrangeかも?ってそれはないか。
で、結論としては、
-東芝の判断は、個人的には面白いと思う
- でも、信越 or SUMCOが買った場合、逆にウエハーの値段が上がって、東芝は困ったりして。その辺の供給確保は大丈夫なのでしょうか?
読み返してみたら、バリュエーションも何も含んでいない、本当にただの雑感ですね。
▲ by ikuramba | 2006-11-01 15:03 | Others
何だか最近ニュースについての雑感ばかりですが、今日も日本のプチネタについての感想を。三井物産が長谷工の優先株を取得するようです。
確か2000年くらいから、ゼネコン各社がDebt Equity Swap (DES)を行い、メインバンクが結構な量の優先株を抱えることになりました。銀行にしてみれば優先株なんてポンカスみたいなもんなので、優先株の処分もそんなに急がないのかなぁと思っておりましたが、2年くらい前にあるバンカーの人と話をしたところ、ヘッジファンドがゴソっと買っているとの話を聞きました。銀行としてはこれでようやくオフバラが完了するし、バイヤーからしてみれば、普通株への転換価格を考えると相当なdeep discountで買えるので、流動性を考慮してもGOということになったのでしょう。加えて、ヘッジファンド以外のプレーヤーが、まだそれほどアグレッシブに投資に乗り出していない時期でもあったので、皆さんhappyな状況だったわけです。
ところが、景気も上向いてきたことにくわえて、相当な金余り。PE・ヘッジファンド・商社等々、何とか投資先を見つけようといろんなところでバッティングしている模様。また、発行体サイドとしても、さっと売り抜けてしまうような輩には株主になってほしくないし、しかも発行体そのものの体力も回復してきている。
となると、発行体にとってbetterなのは、
- 長期的に持ってくれる株主を捜す
- 資金的に余力があれば、買入償却をしてしまう
ということになります。今回の三井物産による長谷工の優先株取得も、まさにこういった文脈で行われたのでしょう。銀行としても、発行体から“ヘッジファンドに売りやがって”みたいに言われるよりも、“事業シナジーがあるバイヤーに売ってくれてありがとう”と言われる方が、今後の関係を鑑みても良いのでしょう。
数年前はそれほどhotではなかった優先株が、今は複数から求愛されている状況になっているように見えます。そういえば、高校生の時に、一見じみーな女の子がいたのですが、私は“必ずめちゃくちゃ綺麗になるはず”と予言していたのですが、予言通り大学で開花したようです。だから何だ?っていわれると困りますが。
▲ by ikuramba | 2006-10-29 07:59 | Others
スティール・パートナーズ(以下SP)が明星食品に対してTOBをかけました。かれこれ数年前からSPは明星食品をはじめ、日清食品、ブルドックソース、等々、食品メーカーへの投資を行ってきましたが、いずれもminority投資にとどまり、1/3以上を保有することはありませんでした。それがここへ来て明星食品に対するTOBとは、はてさて何ででしょう?
フード関連銘柄は、まあいわゆるディフェンシブ・セクターですが、収益性はそこそこ(ROICでみれば)、かつバリュエーションも安いものが多いので、ちゃんと選べば負けない銘柄がそれなりにあります。まあそんなわけで、value系のファンドには結構組み入れられている銘柄もあるようです。一方で、かなりfragmentな業界でもあり、また、当たり前ですが完全な成熟産業ですので、業界再編が徐々に進むのでは?という憶測もあるようです。
勝手な推測ですが、SPが投資した背景には、
- 収益性(ROIC)が高いが、結構割安
- 一方で、余剰cash等がたんまりとある会社もあり、ROEの向上余地と株主還元余地は大
- 業界再編が進めば、業界全体の収益性もあがるかも
ということがあったのかもしれません。
で、数年経った今、どうでしょう?日清・ブルドックについては、過去2年で見ると対TOPIXでも負けており、明星についてはまあトントン、といったところです(indexは関係ない、といわれればそれまでですが、絶対リターンでみてもあまりおいしい銘柄ではありません)。一方で、期待していた業界再編も全く進まず、株主還元もそれほど劇的に良くなったわけでもありません。
“ったく、遊休資産とかちゃんと整理して、配当/自社株買いも増やして、ROEをあげましょうねって言っていたのに、全然ダメじゃん。もう当てにならないからTOBをかけて、我々が経営に乗り込んでやる!”っていうのが、SPの思うところなのでしょうか?
まあその通りなのです。でもSPの役割って何なのでしょうか?割安株の発掘なのか、業界再編等のイベントに乗っかるのが上手いのか、あるいは、会社経営そのものなのか、私にはよく分かりません。何となく、全部出来るはずから、とりあえず全部やってみよう、という風に見えます(今のところ、全部がうまくいっているかはよく分かりませんが)。
村上ファンドの件もあり、activist系のファンドは立ち位置を決めるのがいろいろと大変なのかもしれませんが、何でも出来るポジションって結構難しそうですね。割り切って、敵対的買収しかやりません、みたいなファンドがあれば、それはそれで面白いのでは、と思ってしまいます。
▲ by ikuramba | 2006-10-28 12:44 | Others
飲料業界に以前から興味があったので、今日発表された伊藤園とタリーズの記事にちょっと目を引かれました。といっても、伊藤園とタリーズの資本提携に興味があるわけではなく、その昔MBOで非公開化したタリーズがその後どうなったのか、ちょっと興味があったからです。
昨日のニュースによれば、伊藤園が36%を取得するのに48億円かかるらしいので、100%株式価値としては約130億円になります。3年前のMBOの際の買収価格は117億円だったらしいのですが、どれくらいレバがかかっているかはわかりません。仮にMBO時にタリーズの負債があまりなかったとして、MBOの際に50%のレバをかけたとすると、約3年で58億が130億円になったので、equity holderとしてはまあまあ良い利回りだったのかもしれません(サイズは別としても)。まあ、MBO後にSBIに第三者割当増資をしていたりするので、dilutionを考えると利回りは多少変わるかもしれませんが。
ファンドの損得勘定はさておき、MBOをやった当初のお題目(米国親会社救済(買収?)等々)はどこに行ってしまったのでしょうか?全く調べていないのでよくわからないのですが、直感的には何だか迷走しているような感触を受けます。米国親会社との関係についてはあまり進展がなさそうな一方で、(スタバに比べて)国内のコンビニチャネルの開拓に遅れを取ってしまったので、緑茶以外の製品(コーヒー製品とか)の拡大を急ぐ伊藤園と提携、とも見えないことはありません。
現在の株主は、伊藤園/SBI/経営陣/既存ファンド(?)等になっており、利害関係は全く違いそうです。伊藤園としては、経営陣が(まだ)望んでいるかもしれない米国親会社の救済に多額の資金を投じることについてはネガティブでしょうし、またSBIが望んでいるであろうIPOについても積極的ではないことでしょう。マジョリティー株主がいない状況だと思うので、タリーズ自体の経営がdeadlockに陥る可能性もありそうです。そうなると、やり場のないSBI and/or 経営陣 and/or 既存ファンドは、“伊藤園さん、ここはひとつまとめて全部面倒見てくださいな”と言い出すかもしれませんね。まあその可能性大です(持分法適用にするみたいですし)。
というような邪推を煎じ詰めると、最終的には伊藤園が会社ごとタリーズというブランドを買うということだけなのでしょうか。ブランドの売り買いが日常茶飯事のこの業界ではまあ良くあることなのかもしれませんが、こと伊藤園については、ブランドを買うよりも自前で育てることの方が好きそうに見えていたので、“伊藤園がタリーズというブランドを買う”というのも、一筋縄ではいかないのかもしれません。
何だかよく分からなくなってきましたが、おそらくこんな感じで混沌としているのでしょう。状況打破のために、ここはやはり松田社長に起死回生の再MBOをかましてほしいものです。伊藤園はまず売らないでしょうが、ファンドの金余りをここぞとばかりに利用して超高値で買い取り、再び独立会社としてスタートするというのはいかがでしょうか。
追補
伊藤園が
子会社化するそうです。伊藤園の自販にタリーズブランドが並ぶのももうすぐですね。
▲ by ikuramba | 2006-10-25 12:36 | Others
< 前のページ次のページ >