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シカゴGSBでのMBAについて、徒然なるままに書いてみようと思います


by ikuramba

卒業証書

ろくにブログもアップしないままでしたが、気がついたら無事卒業しておりました。2年間、楽しいこともあり、大変なこともあり、嬉しいこともあり、悲しいこともありましたが、日本にいてはなかなか出来ない経験をすることができました。特に、学生という特権を生かして、自分を見つめ直す機会と時間をえることが出来たのは、とても大きな収穫でした。

息子が卒業後2週間ほどで産まれる予定だったので、卒業式後は“いつでも来い!”と思いながらシカゴの夏を楽しんでおりました。おおかたの予想と同級生の出産時期を鑑みるに、早まるに違いないと思っていたのですが、何と3日遅れて産まれてきました。お陰様で母子共に元気です。

まだ産まれて数日経ったばかりですが、今のところMBAよりも数倍手強いと同時に、数十倍楽しいです。昨日もこんな難問に悩まされました。授乳コンサルタント(ってすごい名前ですが)が言うには、素肌と素肌で触れ合うと赤ちゃんが安心するとのことだったので、一日一回は息子をおむつ一丁にして、こちらも上半身裸で一時間くらいだっこしております。確かに、安心した顔をしてすやすやと寝ているので、授乳コンサルタント(しかも我々の場合はお年を召した方だったので、シニア授乳コンサルタント)の言うこともあながち間違いではないようです。

そんな幸せな時間に暗雲が。せっかく気持ちよさそうに寝ているのに、子供ではなくよりによって私が便意を催しました。しかもウ○コ。さらにタイミングが悪いことに、妻は他のことで手を離せない模様。ここで取りうる選択肢は2つ。
1)息子を泣かせても自分のウ○コを優先する(例えるなら、カレー味のウ○コ)
2)息子を泣かせないように、自分のウ○コを出来る限り我慢する(例えるなら、ウ○コ味のカレー)
この2つのうち、どちらにすべきか暫く迷っていたのですが、時間の経過と共に、新たなオプションが不可避的に登場してしまう始末。
3)息子を泣かせないように、自分のウ○コを出来る限り我慢した結果、我慢しきれなくなり自分がオモラシしてしまい、息子も大泣き(例えるなら、ウ○コ味のウ○コ)
この悩みを息子に目で訴えかけたのですが、息子は栗色の産毛を自分の寝息でそよそよとなびかせたまま、“そんな俗世のつまらん事はしりませーん”という顔でお休みしております。3番目の選択肢を取らざる得ないぎりぎりの状況で、妻にバトンタッチする事が出来たので、無事息子は安らかに眠り、私はすっきりとウ○コを放出しました(例えるなら、カレー味のカレー)。

何だかシメのブログがウ○コ話になってしまったのですが、働き始める間での約一ヶ月間は、子供に100%向き合うことが出来るので、いろいろ大変なこともありますが楽しんで過ごそうと思います。子育てはこうすべきだ!とか、子供は是非こうなってほしい!みたいなことはないので、3人で出来るだけ楽しんで過ごすことが目標です。

楽しんで、ということについては、私が尊敬するGSBの友人のお父様からもこんなアドバイスを頂きました。彼からは勉強以外にもいろいろな事を教えてもらい、息子が彼みたいな人間になったら楽しい&嬉しいなーと思っておりました。そこで、卒業式後のパーティで彼の父親を捕まえて、“子育てについてアドバイスをください!”とお願いしたところ、こんなアドバイスが。

(略)
If you can only do one thing as a parent, I would encourage you to enjoy your children. They are so full of love, and curiosity, and laughter--important qualities that we often lose as we mature. So enjoy this child, your son, and enjoy any others who might follow.

XXX, you might know, is the middle child of our three. He was always creative, and he always approached problems in an original way. This sometimes caused consternation, and it sometimes caused wonder. I think he remembers the consternation more than the wonder, but they were both there. He has always been gregarious, and we always encouraged that. Because he is so creative, we tried to let him figure things out for himself, but we know that he felt a lot of pressure from his spot between two children who are more linear in their thinking and who seem much more organized to the world. It took him a long time to value his own gifts and not to struggle with comparisons. But once that happens, it's like a floodgate opening to release all kinds of talents.
(略)

どうしても頭でっかちになりがちな私ですが、まず親である我々が子供と一緒にいることを楽しむという原点を忘れないという点でも、とても有り難いアドバイスでした。“シンプルで楽しいのが一番“という、私の料理に関する信念にも似ているように思えます。

ということで、2年間のMBA生活を締めくくるにふさわしい、素晴らしい卒業証書を手にした気分です。卒業と同時に、“子育て”という卒業という概念がない新しい過程に入りましたが、3人で楽しんでいこうと思います。とりあえず、細々と付けていたこのブログは今回で終了です。読んでいてくださった方、ありがとうございました。

最後に、生後1日の息子の写真を。ブログに写真初公開です。同期Kaz夫妻が病室を訪問してくれたときに、Kazが撮ってくれたものです。腕前はさることながら、息子に対する視線の優しさを感じます。いつも良い写真を取るなーと思っていたのですが、被写体に対する愛情が良い写真をとる秘訣のようです。改めてご訪問&写真をありがとう!

ということで、皆様ありがとうございました!
卒業証書_e0088391_1515285.jpg

# by ikuramba | 2007-07-04 01:52 | Life
妻が“これ作ってー”としきりに言うので、作ってみましたこのパスタ。
http://kitchenhime.blog21.fc2.com/blog-entry-539.html
久々にヒットしたパスタです。暑い夏の日に、白ワインと一緒に食べると幸せなことこの上なしです。

レシピを変更したのは以下の3点。
- 最初にニンニクとエビを炒めたオイルは別に取って置いて、最後に全てを混ぜる際に加える。エビとニンニクの香ばしさが残ります。エビ油、みたいな感じです。
- アンチョビは使わず。個人的な好みですが、どちらかというとエビ&レモンでさっぱり食べたかったので。
- 最後に全てを混ぜる際は、フライパンではなく大きなボールを使う。フライパンであおる必要がないパスタであることと、レモンの風味が飛ばないので。

基本的に、麺類は麺が勝負であって、具や味付けは二の次という私の信条を見事に良い意味で裏切ってくれたパスタです。Kaplanの授業で、投資をする際にjockey (=management)を重視するのか、horse(=product)を重視するのかという話がありましたが、麺でたとえるなら、私は間違いなくhorse派(=麺重視)で、jockey派(=具and/or調理法)ではありませんでした。うどんも基本的に釜揚げうどんみたいなものが好きですし、パスタもなるべくシンプルなものを食べます。ラーメンについて言えば、チャーシュー麺なぞここ10年くらい食べた記憶がありません。が、このズッキーニ・エビ・レモンのパスタは、jockey派に鞍替えしようかと思うくらい美味しいものでした(ちなみに麺は安いリングイネです)。

見た目にもキレイで、且つスルスル食べられるので、ホーム・パーティにもぴったりでしょう。レシピを公開してくれたひめ様、ありがとうございました。
# by ikuramba | 2007-05-25 12:08 | Life

メディアは難しい・・・

つい最近、私が以前にお会いさせていただき、とてもお世話になった日本のfund managerの方が某紙に紹介され、その内容についてネット上等で色々とかかれておりました。新聞の内容や、ネット上での議論については、あくまでそれぞれの立場からの見解にすぎないので、真意や正確性はよくわかりません。

内容について色々と申し上げる立場にもなく、また、実績もない私が何かをいうことは出来ないのですが、一点だけあえて書くとするならば、メディアとの付き合い方は難しいなーということです。新聞に紹介された某氏や、彼の会社ほどの実績を残したとしても、いくらでもイジられてしまうのは“有名税“みたいなものなので、はっきりいって犬に噛まれたと思って諦めるしかないのでしょう。

そういった犬に噛まれるリスクを考えるのであれば、リターンにもつながることがないメディアへのexposureは、少なくともbuysideの人は控えるべきなのでしょうか。まあ、金集めの宣伝にはつながるかもしれませんが・・・。どうしてもメディアに出たいのであれば、実績を残して引退した後にするのが良いのでしょう。

私のようなMBAとりたてホヤホヤ(といってもまだ卒業してないか)が、こんなことを考える必要はそもそもないのかもしれません。そんな事より、まずは何よりも実績を出すことでしょう。2年間のモラトリアムが終わった今、世の中に向かって夢や理想を叫ぶよりも、それらを現実化するに足るような確固たる結果こそが、何よりも強いメッセージになるはず、と思います。
# by ikuramba | 2007-05-17 09:39 | Career

Charlie Trotter's

いつも安い・汚い・旨いがそろったお店のことしか書いていないので、珍しく別カテゴリーのお店のご紹介です。ついに行って参りました、Charlie Trotter's。シカゴにきてから初のドレスコード付きレストランです。

何と4ヶ月まえに予約を取っていた友人Aに便乗させてもらい、Kitchen Tableというものに参加しました。キッチンの片隅に6人用のテーブルがあり、キッチンの喧噪を感じながらお料理を頂くというもの。ちなみに、料理の合間にキッチンをうろうろすることもOKです。総勢20人近くの料理人が、文字通り秒単位で料理を仕上げていくのを目の当たりにするのは、かなり鳥肌ものです。

お料理は、懐石のように少ないポーションでサーブされる形式です。ムニュ・デギユュスタシオンってやつかしら。デザートまで入れると15皿くらい(!)がサーブされ、まさにフォアグラ状態です。前菜が6-7皿くらい、お魚2皿、お肉3皿、デザート3皿、これに加えてグラニテなども出ます。

料理のクオリティは言うまでもないのですが、それを上回るくらいに印象的だったのが、サービスの質の高さ。監視している、といった緊張感を強いることなく、常に我々が何を欲しているのかを理解しようとしていて、本当にプロフェッショナルなサービスを受けることが出来ました。

妻はお酒が今飲めないので、水でも飲むのかなーと二人で話していたのですが、何とワイン・ペアリングならぬノンアルコールドリンク・ペアリングがサーブされます。我々は料理に合うワインを計10種類以上だしてもらったのですが、妻はこれに代えてフレッシュ・ジュース(e.g. asian pearとか)や、バラの香りの付いたスパークリング・ウォーターなどを頂いておりました。ワイン派からも”うらやましー”の声が出るほど、かなり気の利いたものでした。

9pmからスタートして、何とデザートを食べ終わったのが1:30am。6人とも満腹を通り越して危険水域に入った状態で、何とか帰宅。翌朝は何も食べられないのだろうなー、と思っていたのですが、不思議なことに空腹を感じて目が覚めてしまいました。

その昔、開高健が、辻静男さんの家で贅を尽くしたメニューを一日食べまくるという企画(?)をやった文章を読んだことがあるのですが、面白いことに死ぬほど食ったその日の夜に、彼は鍋焼きうどんを食べたい衝動に駆られたようです。

出産前の最後のbig dinnerにはもってこいの、とても良いレストランでした。
# by ikuramba | 2007-05-16 09:45 | Life
何だかブリオの特集みたいですが、授業についてです。

先日のCases in Risk Managementにおける発見です。このクラスにちょっとセクシーな東欧orロシア系の女の人がいるのですが、どうもVeronesiのお気に入りのようです。アジア人の女性以外にあまり興味のない私にとっても、やはりキレいに見えます。Veronesiは授業中もこの女の人(仮にタチアナとしましょう)に笑みを投げかけているようで、彼女の後ろに座っている私としては、私に満面の笑みを送っているのでは?とたびたび勘違いします。

さて。休み時間を終わらせて、授業に戻る際のVeronesiの一言。
「タチアナはまだ席に戻っていないようだが、そろそろ授業を再開しよう」

って、彼女以外にも10人以上はまだ席に戻っていませんから!!!その他10名は”マメ”扱いのようです。

とは言うものの、そういうところも含めて憎めないのがイタリア男の良いところなのでしょうか。以前に妻とイタリアに旅行にいったときも、私と一緒にいる妻をナンパしようとしている人がおり、かなりビックリしたのですが、でも何故か憎めないキャラなのです。おそらく彼らにとって、そうやって女性に接することは、脳ミソで考えた上での行動ではなく、単に脊髄反応なのでしょう。

Robert Mertonが”天才”と称したVeronesiも、やはりイタリア人なのでした。
# by ikuramba | 2007-04-27 10:23 | MBA